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「脳と視覚」

2015年03月18日

知人とご飯を食べに行ったらたいてい最近読んでる本や好きな本を聞いてまわっているのですが、ninjinkunさんとランチに行った時にも例のごとくその話題になり、そこでおすすめしてもらったのがこの「脳と視覚」という本でした。

ひとはどのように視覚を処理しているのか?

光とはなにか?から始まり、色彩について、神経についてなど人間を生物とみたときの視覚に関する器官の仕組みとことこまかに説明したあと、その視覚的な情報のインプットがどのように脳で処理されるのかをさまざまな実験を紹介しながら解き明かしていく。

全体的に言えるのは、この本は「視覚」に関するさまざまな仕組みを、古くからの学者の実験や論文をたよりに読み解いていくスタイルの参考書であるということ。ビジネス書によくある安直なアナロジーであったりメタファーの濫用はせず、実験の紹介とその分析をつぎつぎに行っていくため、事実をどんどん積み上げながら自分の理解も高まっていくのが非常に楽しい。

記号・運動・認知、そして錯覚

ひとはどうして文字を認識できるのか?さまざまな法則にしたがって記号を認識しているとするゲシュタルト心理学から、知覚及び想像されたものごとや状況の機能的な「内部モデル」が生物学的に存在しこのモデルを使って認識しているとする認知心理学など、視覚に関するパラダイムをひととおり追った後、錯覚はなぜおこるのかという疑問にせまっていく。

錯覚については諸説あるようなのでどれが正しいというより学説の紹介という体裁だったが、なかでも面白い学説がひとつ紹介されていた。

ひとは見たものに対して経験からの仮説(知覚的事物仮説)をたてながら視覚信号を認識しており、これはある程度のあいまいさを持たせながら作用している。このあいまいさがあるおかげで、トップダウン的に即座に仮説をたてて認識できたり、ボトムアップ的に状況がかわったときにもういちど仮説を立て直すことで重大な誤解をせずにすむ。個人の経験や状況によるところがおおきく、どういう仮説をたてるのかの可能性は人によって変動する。

これはタイムリーな例で言うと先日Twitterで流行った青と黒のドレスのような錯覚がどのようなメカニズムでおこったのかをちょっと学問的に説明するとこうなるらしい。

学問的でかなり読みにくい本ではあるけど、これぞ参考書という感じで、自分のあたまに情報がインプットされていく感覚が常に感じられる楽しい本でした。デザインにもなにか活かせるといいなぁ。


この本を読んだ後に内臓とこころを読んでそのあといま美学への招待を読んでいるのですが、視覚と知覚を学び、内蔵と精神を学び、身体的な感覚と精神的な感覚を学ぶというわれながら美しすぎる流れで読み進めることができたなといまになって思いました。

おすすめの変な本、ぜひおしえてください(小声)

脳と視覚―グレゴリーの視覚心理学
リチャード・L. グレゴリー
ブレーン出版
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自己紹介
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KEISUKE TSUKAYOSHI

UX Designer / UI Designer.

株式会社Fablicでフリマアプリ"FRIL"などの事業サービスのプロダクトマネジメントやデザインを担当しています。

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