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ユーザーと価値観を共有するUXデザイン

2015年05月28日

最近ブランディングまわりの知見を学ぶ機会が多くて、色んな本を読んだり専門の方にアドバイスを伺ったりしているのですが、そのなかで「ユーザーと価値観を共有する」というアイデアが面白かったので記事にしてみます。

プロダクト・サービスの「価値観」

まず、そのプロダクトが実現したい世界(いわゆるビジョン)というのは事業をなす上で大事な目標になるが、どうしてその世界が素晴らしいと言えるのか?というそもそものサービスが持っている価値観がベースになっていることが必然である。例えば「《ビジョン》を実現したいんだよ、だって《価値観》だろ?」という論理でほとんどすべての意思決定がなされていく。

その価値観がベースとなり組織の行動規範に落ちていって、実際のプロダクトの施策やデベロッパーの仕事に落ちていく。

価値観はかわらない

この価値観にまつわるアイデアでいちばん面白かったというのが「価値観をユーザーと握り合っているサービスは強い」ということ。なぜ価値観を握り合っていると強いかというと、価値観はほとんど変わることがないからである。例えば「親は大事にしなければならない」という価値観は人類史学的にも今後も変わることはないだろうし、「つねに一番いい選択をしたい」という価値観を持っているひともいきなり「安ければなんでもいいや」という価値観になったりすることはない。

例えばAppleは「つねに一番いい選択をしたい」と思っているユーザーと価値観を握り合っているから、Apple自身が「最高のものづくりをしたいと思っているわたしたちが最高のプロダクトを作りました」とさえ言っておけばどんなに安い商品が他社から発表されても絶対になびかない。もちろん言っているだけではなくて、プロダクトにもその価値観は反映されているからこんなにも信者と呼ばれるレベルまでシンクロできているのだと思う。(こんなに単純な価値観ではないと思いますがw)

逆にアップル製品が一般化してきた今、これまでのアップル信者が戸惑ってしまうような製品が増えてきているのもいままでと異なる価値観をもつユーザーを取りに行っているからとも考えることができる。(iPhone5cやMacbookや最近でいうとApple Watch。)

価値観をプロダクトに反映する

プロダクトが持っている価値観と、ユーザーが持っている価値観とのすり合わせが完了したら、それをプロダクトに落とし込んでいく。これは実例を挙げながら考えてみる。

一番腹落ちしたのが楽天市場のケース。楽天市場はなぜここまで強いのか?という話。

楽天市場の価値観としては、ぼくがパッと思いついたかぎりこんなイメージ。

こういう価値観をもつユーザーがたくさんいるからこそこれを体現している楽天市場は廃れないし、楽天がオシャレなサービスをやろうとしていつも失敗するのも既存ユーザーとの価値観が食い違っていると考えるなら当然のように思える。

また、このような価値観のもとに意思決定がなされるとなると、ひとつの商品に対していくつもの値段が設定されていて楽天市場内で競争原理が働くショップの世界観や、部屋を散らかしたような雑多なデザインがうまく正当化されることになる。これならAmazonの価値観に共感しているぼくらが楽天を毛嫌いするのもわかる。

ではそのAmazonの価値観はどうかというと、また適当にパッと思いついたものをあげてみると

あたりがAmazonの価値観のように思う。楽天で頑張って安い商品を探し出すよりAmazonで一番上にでてきたレビューが一番多い商品でいいし(もちろんAmazonも十分安いけれど)、そんなことより早く届いて早く使いたいというユーザーと握り合った価値観にもとづいて、レコメンドの仕組みや即日配達などに反映されている。だからぼくはAmazonを使い続けるのだ。


ブランディングによる見え方を学んでいる際に出会ったアイデアなのですが、どういった価値観をユーザーと握り合うのか、どのようにブランディングからプロダクトまでを首尾一貫させて適切なイメージをユーザーに持ってもらうのかを考える際に良いステートメントになってくれそうなアイデアでした。

前回のブログ更新から結構空いてしまって、さすがにアーカイブが2ヶ月空くのは避けたいと思って深夜のテンションで書ききってみました。またぼちぼち書いていこう。

おまけ:AWAの価値観

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ついでに、昨日リリースされたサイバーエージェントとエイベックスの新サービスAWAについても考えてみる。Twitterでもいろんな反応があって面白かった。

リリースされて1日しか経っておらずぼくもあまりアプリを使えていないので、さきほどの例とは逆に、外見的なデザインとユーザーの反応から逆算して価値観を探ってみる。はじめてぼくがAWAのアプリを触った時は、

というような印象だった。

また、Twitterのタイムラインを眺めてみていると、AWAに懐疑的な声を漏らしていたユーザーには「音楽体験とは深く味わうものである」という価値観が共通してあるように思えた(Twitterのぼくの友人各位、なんかすみません)。反応から察するに、AWAはこういうユーザーにはきっと刺さらないようなサービス設計を目論んでいると仮定して、これがどのような価値観で意思決定されてこのようなアウトプットになったのか?という妄想を繰り広げてみると以下のようになった。

というような価値観が感じ取れた。もしこういう価値観をもつユーザーがマジョリティとして存在するのであれば(実際狙っている価値観はもっと深いところに設定されているかもしれないけど)、AWAは価値観の的を射ているということになる。

以上、ポエムでした。

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2015年05月28日

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自己紹介
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KEISUKE TSUKAYOSHI

UX Designer / UI Designer.

株式会社Fablicでフリマアプリ"FRIL"などの事業サービスのプロダクトマネジメントやデザインを担当しています。

実績など詳しくはこちら

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