体験で伝えるコミュニケーションデザイン
最近、デザインやレイアウト上の文言なんかを考えるとき、機能や要件ではなく体験で伝えることを意識するよう心がけています。この記事で紹介したいのは、Coineyの松本さんがdesign dot BEENOS vol.2で登壇されていた際にお話されていた内容の一部と、最近ぼくが日常生活で感じたそれに関する話。
Coineyのログアウト画面のコミュニケーションデザイン
まずぼくがこういった意識付けを行うきっかけになったCoineyの松本さんのお話を簡単にご紹介。機能や要件ではなく体験で伝えるデザインの例としてBEENOSのイベントで話されていたのがCoineyのログアウト画面で、ログアウトしたあとなら普通は
「ログアウトしました」
と表示したくなってしまうところですが、Coineyでは
「お疲れ様でした」
と表示しているそうです。「ログアウト」という機能・結果を機械的に表示するのではなく、「ログアウトからどういう体験が起こっているのか」を考え、「機能だけを提供するのではなくて心地よい体験を提供する」という目的でこのような表示にしているらしいです。Coineyで重く意識されているという「親しみやすさ」とも一貫していてとても感じがいいですよね。
価値を伝えるために体験を語る
そのBEENOSのイベントではソニーのウォークマンの例も話にあがっていて、
「CDが聴けます」
といった機能で売り込むのではなく、
「音楽が持ち運べます」
といったように体験を語ることで、機能だけでは伝わりにくい価値をうまく伝えることに成功した例も挙げられていました。新しい価値をつくる上で、言葉の価値を重用視しないと価値を伝えられないことを強く感じました。
要件ではなく体験で伝える
こういうデザインの考え方的なところって言うは易く行うは難しというか、なかなか頭ではわかっていても身につかないのが難しいところ…。どうにかそういう感覚を身につけたいと思い日常生活から意識してみたところ、ふだんのコミュニケーションのなかで自然と使えた良い例を発見しました。
◯◯して、△△できる状態にしておきました。
仕事を頼まれたあとの結果報告の伝え方なのですが、いつもなら
「◯◯しておきました」
だけで済ませるような内容のコミュニケーションだったところ、担当者さんがあまりこの案件の全容を詳細まで理解されている感じではなかったので、できるだけわかりやすく伝えたいと思い
「◯◯して、△△できる状態にしておきました」
と自然と体験に落としこんで伝えていました。なぜ「△△できる状態にしておきました」という表現を使ったのか自分で思い返してみたところ、これって機能や要件ではなく体験で伝えることによって全体としてどういうことが起こっているか理解しやすくしたかったのではないかなと後になって思ったりしました。
っていうふと思ったあんまりよくわからない話でした。
この記事を書いていて思ったのですが、これってたぶん実装モデルと脳内モデルの話だなぁ。また誰のためのデザイン?かAbout Face 3読み返そう。