ユーザーの合理性を予測する
「ユーザーは合理的な行動をしない」とよく言われているし実際そう思いますが、初期設計の段階でそんなことを言っていたらなんの仮説も立たないですよね。実際デザインフローに落とし込むにあたってどうすんだと悩んでいたのですが、いい感じの具体例を思いついたのでメモ。
結論としては、ユーザーは合理的な行動はしないけどあくまでデザイナーが机の上で考えた「予測の上に成り立った仮説の合理性はない」のであって、実際は「ある程度の傾向は捉えられる合理性は存在する」というのが結論。
美容室で髪型を変えるときの話
ぼくはいろんな髪型にするのが好きで美容室に行くと毎回違う髪型をオーダーするのですが、よく髪の長さが足らなくて理想の髪型になる途中の髪型をオーダーすることがよくあります。「次回この髪型を目指せる髪型にしてください」的な。
ところが次回ひと月やふた月経ったあと美容室に行くと「やっぱり前回言ってた髪型はやめてこれにしてください」と言ってしまうことがほぼ100%あるのです。
せっかく前回やりたかった髪型ができるチャンスなのに、気分で方向転換してしまうわけです。
合理性はユーザー調査のなかで見つける
そんなユーザーの気分によって左右されるなんて予測もクソもない!と考えてしまっていたのですが、よく考えてみるとぼくの行動には「髪型を決めて→やっぱりやめる」という一定のルールが経験(観測)から読み取れることがわかります。
つまりぼく(ユーザー)のなかには、合理性は存在していて、かつそれは机の上で予測したもの(前回この髪型を目指していたんだから今回はその髪型にするだろうという予測)とは違っていたということになります。
この気づきからわかったのは、「ユーザーは合理的な行動をしない」というのはあくまで「机上の空論の通りに動くことはない」ということでした。
ようするにユーザー調査をもとにした仮説の軌道修正が必要だよねということですね。
というわけでぼく自身が合理的でない行動をとったところから、どうすればそれを設計のなかで予測するかという観点から「ユーザーの合理性」を考えてみた、というテーマの話でした。