フリーランスデザイナー(ぼく)のWeb戦略
まもなく2014年も終わりに近づいてきています(一年めっちゃ早いんですけど(半ギレ))が、かれこれ学生フリーランスの時代から4,5年フリーランスをやってきて、これまでの振り返りの意味も込めてぼくがいままで考えてきたフリーランスとしてのWeb戦略をまとめてみました。
ポートフォリオではなくブログで攻めた
ぼくは基本的にデザインの作品集みたいなポートフォリオをもたず、ほとんどブログのみであとは略歴の紹介がてらの実績だけを公開していました。というのも、ぼくがやりたかったサービスデザイン的な、俗にいう「UXデザイン」みたいな仕事の依頼を得るには作品ポートフォリオでは不適切だと思ったため。
ポートフォリオ(作品集)のいいところとよくないところ

ウェブデザイナー・中江亮くんの作品ポートフォリオ(掲載許可済)
ポートフォリオ(作品集)のいいところ
どういうものを作ったのか、どういう思いで作ったのかを説明できたり、とてもグラフィカルに伝えられるので好印象を与えられる。また、どういう人と仕事をしたのかのアピールにもなり、信頼感に繋げられます。
サムネイルで使わせてもらったウェブデザイナー・中江亮くんのサイトはこちら。
Border / RYO NAKAE, Web Designer
ポートフォリオ(作品集)のよくないところ
どういったプロセスで作ったのか伝えにくくなる。また、ぼくが一番難しいなと思っているのはそのプロダクトをユーザー中心で作れば作るほど、実際に利用する人とポートフォリオを見る人の乖離が大きくなることが多いため。ポートフォリオを見る人は実際にプロダクトを使う人ではないので、正当に評価されにくくなってしまいがちな印象。
ブログのいいところとよくないところ

ぼくのブログポートフォリオ
ブログのいいところ
どういうデザイン思考をもっているのか、クライアントが抱える問題意識に直接アプローチできる。組織だって開発する上で、いまある開発チームに適切な人材か判断できる。ぼくはこのブログを介して連絡を頂いたときは、たいてい「こういうデザイナーを探していた」と言われることが多いです。
ブログのよくないところ
ここまで読んできてくださった方ももう察しという感じなのですが、どうしても文章ベースになるとビジュアルで伝えにくく、読んでほしいところまで読んでもらえなかったり離脱も多いです。また、デザイナーが持つ美的センスを直感的に推し量る材料も少なくなってしまいます。
「こういうデザイナー欲しかった!」はどうしたら起きるのか
総括でいうとどちらも得手不得手があって、どちらがいいというわけではないのですが、作品集はデザインの感性がわかる→こういうデザイン作って欲しい!となる一方で、ブログはデザイナーとしての考えがわかる→こういう人欲しかった!となることが多い印象。
キャンペーンや広告などビジュアル寄りだったらポートフォリオ、サービスやチーム開発がやりたければブログがぼくはいいのではないかなと思っています。
ぼくのWeb戦略
ぼくは前述したようにキャンペーンサイトというよりサービスのデザインがやりたいデザイナーなので、フリーランスとしてのウェブ戦略はブログでの広報・啓蒙活動がメインになっています。ブログ記事の内容を体系化してみると、
- 短期間爆発的にバズる集客記事(広報記事)
- 集客しづらいけど読んで欲しい記事(啓蒙記事)
- 自分ができることをアピールする記事
- メタ情報を伝えるプライベート記事
のような形。端的に説明すると、まとめなどバズりやすい記事で集客して、トップページなどからぼくが読んで欲しい啓蒙的な記事へ誘導し、それにうまく刺さった人から連絡を待つ形をとっていました。たとえばバズった記事だとこちらとこちらのようなもの。啓蒙的、というかよく「この記事を読んで連絡をしました」と言って頂けるのはこちらとこちらあたりが多いです。
おまけ:ブランドを格納するハコをつくる
ポートフォリオは個人をブランディングするためのツールだとぼくは認識しているのですが、これを成り立たせるにはワークスやブログ記事などを発信するだけでなくそのブランドを格納するハコ=アイコニックなものも必要だと思っています。たとえば
- 面白法人カヤックのロゴマーク
- CINRAのような共通したブランドネーム
- カズワタベさんのニックネーム
などがわかりやすくブランドが格納されているイメージ。ぼくの場合はTwitterでも使っているこのアイコンにブランドがすべて格納されるように、ぼくに関係するところではこのアイコンが主体になっています。じつはこのあたりはこれまで無意識にやっていたのですが、ここらで広告コピーの本当の話をします。という著書にブランディングの簡単な考え方の紹介でロゴとブランドに関する記述があり、そこでハッとさせられました。

だいたいどこでも見える位置にこいつがいます
というわけでぼくのフリーランスとしてのウェブ戦略をまとめてみました。それなりに上手く回っていたので、サービスの企画からデザイナーとして参加したいと思っているフリーランスの方々はぜひ実践してみてほしいです。