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メタメッセージとクリエイティブ

2017年02月28日

ぼくが大好きな街場の文体論から「メタメッセージとクリエイティブ」について。

メタメッセージとは、この本によると「絶対に伝え逃すことのないメッセージ」のことらしい。なるほど、よくわからない。それから1年くらい経って、もう一度読み直した時にようやく理解ができたのだけど、こんなにすごいことが書いてあったのかとすごく興奮したのを今でもよく覚えている。


メタメッセージは「額縁」のように説明することができる。例えば劇場で演劇を見ている時、なぜ舞台の上で誰かが殺されようとしているのに観客のだれも止めに入らないのか?というのも、実際にそこで殺人事件が起こっているわけではないという当たり前の「額縁」のもとで「演技」を観ているからで、この前提を捉え間違うと演劇をみるのもままならない。つまり「これは演劇です」というメタメッセージのもと、「今から殺人事件が起こります」というメッセージが伝えられる。

このアイデアはここから少し拡張される。例えば遠くで何かを喋っている人がいたとして、その喋っているメッセージの内容はよく聞き取れなくても「その人が何かをしゃべっていること」は自体は理解できる。つまり、メッセージ自体は理解できなくとも、誰かが何かをしゃべっている、男の人か女の人が喋っている、大声で喋っている、緊急事態なのかそうでないのか、無視して良いのか無視してはいけないのか。つまりメタな情報=メタメッセージだけは、どれだけ離れていようが理解できるのだ。

ヤバい、これはヤバい!だって、絶対に伝えられるってそんなの絶対ヤバいでしょ!もしかしたらデザインにも使えたりするのかもしれない、とか電車の中でドキドキしながら考えていたら、いつのまにかメタメッセージに囲まれていたことに気づいた。

なるほど、メタメッセージってすごく強烈だ。電通とか博報堂がよくやるような、抽象的で感覚的な広告の狙いが少しわかった気がした。

世の中にはいろんなメタメッセージが潜んでいて、僕らはそれらをうまく解釈しながら生きていることがなんとなくわかったけど、伝えるって難しいなぁなんていう思考停止の魔法を唱えながら、今日も何かを作っている。


というわけで、街場の文体論から「メタメッセージとクリエイティブ」についてでした。この本には他にももっと面白いアイデアがたくさんあるので、また紹介できたらと思う。次は「エクリチュール」か「宛て先」あたりについて取り上げてみたい。

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2017年02月28日

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自己紹介
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KEISUKE TSUKAYOSHI

UX Strategist / UI Designer.

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copyrights(c) Keisuke Tsukayoshi.